たま~~には真面目なパンの話です。(写真は今朝焼いたピカールの冷凍パン!)
ガスオーブンと電気オーブンで焼き具合違いますよね、って質問をよく受けます。
答えは、「ガスと電気、というくくりでは答えられません」です。
比較対象が「ガスオーブン」と「電気オーブン」では、大まか過ぎて答えられません(;^ω^)
ガスオーブンでもそこまで火力が強くない物もあるし、電気オーブンでも火力が強い物もあります。
予熱を長くしていると、ググっと庫内の温度があがるオーブンもあれば、
長く予熱をかけていると、途中で温度調節が入って下がり気味のオーブンもあります。
我が家は電気オーブンと・・
ガスオーブンがあります。
でも実は、180~190度で焼いた場合、電気の方が焼きが強く入ります。
つまり、ガス=火力が強くてよく焼ける 電気=ガスより弱い
という図式が我が家の場合当てはまりません。
最初にパンを習った大手の教室ではリンナイの卓上ガスオーブンを使っていて、
バターロールの焼き時間が180度で10分。こんがり。
でも家の電気オーブンで同じようにやったら真っ白。
リンナイの卓上は火力が強いです♪
↓すごく昔の写真。結局バターロールは180度で15分焼きました。
要は「自分の使っているオーブンがレシピと比較してどうだろうか」で調整していかないと・・なので、
○だから◎に違いない、というスタートでは正確にお答えできないわけです。。。
実は、パン作りに長けた人ほど、ここに気が付かない場合があると感じたことが何度もあります。
と、いうのもパン作りが好きでレベルの高い教室あちこちに通っていると、その先生の家は
かなりいいオーブンがある場合が多く、極めたい派の方は自分もある程度いいオーブンをお持ちだからです。
だから家庭の電気オーブンに合わせた私のレシピで焼くと黒焦げ続出、とかね。よくあります。
パンに長けてらっしゃるから、調節はご存知だろうと、レシピの焼きはあくまで目安であることをお伝えするのが不足していました。
とはいえガス=強い、ではありません。
オーブンひとつひとつによって違います。
うちのガスオーブンは、新築時に予算をケチったので少々安物でございます(;^ω^)(;^ω^)
でもそのおかげでガス=強い火力
という先入観から抜けることができました。
そして、ちょ~~~細かい話だけど、火力を弱く感じるのがオーブンそのもののせいでない場合もあります。パンに作り慣れてないと「予熱があがったオーブンの扉を開けてサッとパンを入れる」のに手間取ったりします。
これは、アシスタントに来ていただいた時に感じました。
使い慣れていないオーブンだと「さっと入れる」難しいですよね。
なるほど~、こういうところで差が出るのか~と。
扉を開けた時間が長いと、それだけ温度が下がるので、「うちのオーブン焼きが弱いんです」なんて
思っていたら、単に作業時間の問題だった・・なんてオチもあるかもしれません。
写真はピカールの冷凍パンです。
取り出して焼けばすぐ食べられるという優れもの。
説明には「180度で20分焼く」とありました。左がその通り焼いたもの。
ガスオーブンです。
実はその通り焼いたら、やや焼きがあまくて、中もべしょっとした感じがありました。
なので、次は200度で20分焼いてみよう!と考えていて・・
右がそれです。同じくガスオーブンで焼いています。
そうしたら、あらま~~!最初の180度20分より、ずっとずっと美味しかったのです!
もし温度を高めにして焼かなければ「ピカールのパンはいまいちだった」の感想で終わっていたかもしれません。
ここで考えられるのが、「オーブンがそもそも180度じゃなくて実は低いのでは?」ということ。
我が家のガスオーブンの180度~190度の温度帯がどうも低くて焼き色が付きにくい・・。
当初からそこが悩みだったので、実はオーブンメーターでたまに計測しています。
オーブンメーターというのは、オーブンの庫内の温度をはかってくれるもの。
250度とかにもなるわけですから、普通の温度計ではだめですよね。
で、結果は・・
数年来何度も計っていますが、きっちり180度の時は180度なのです。
でも、大型のパンを置くと、その手前の温度が低かったりするので、温風の周りが悪いのかもしれません。
単純に温度だけではわからないこともありますね♪
ピカールの冷凍パンは同じ条件の出来のパンなので、焼きでこんなに味が違うんだな~って、
あらためていい勉強になりました。
焼きは最後のハードルで、私もレッスンではオーブンから出すまでいつもドキドキしていますよ。
最後のハードル、と書きましたが、生地の状態や発酵の具合など、
パンは色々な要素があるので、そのひとつひとつに「ここは押さえておきたい!」ポイントがあります♪
クックパッドやYoutubeで公開されている色々なパンレシピ。
美味しそう!と思っておうちで作ってみて「美味しくない」と思ったとして、
実は、レシピ自体ではなく、「レシピの目指しているゴール」に到達していないだけ、ということもあります。
ゴールまでわかりやすく導くのがレシピですが、
単純に数字を追っていくだけではゴールにたどり着けないだけでなく、
違う場所にいることもあります。
私もたくさんのレシピを教室で教えてきました。
私のパンも手順を追っているだけではゴールには付けないと思います。
もちろん、レッスンでは一緒に走るのでちゃんとゴールできますし、
今日はじめてパンを作る人、ともたくさん相対してきましたが、みなさんひとりで作り上げています。
教えたパンの復習の写真を見せて頂いて「あれ?随分違うな・・」と思ったことももちろんあります。
教えた相手が上級者や先生の場合、本人からどうですか、って言われない限りなかなか指摘しにくいですが、聞かれたら割としつこく考えて答えます。(聞かれないと答えない派です)
しつこすぎて、写真と図が10枚に渡ったこともあります。
友人にその話をしたらどん引きされたことあります。結構しつこいんです・・。
ゴールが違うなって場合、そこには原因がちゃんとあります。小麦粉やイーストが古かったってこと単純なことから、ちょっとした捏ねの違い、発酵のこと・・。めん棒の回数とかも!
私のパンはそんなに捏ねないし、バターも先に入れちゃうことが多いです。
一般にパンはよく捏ねて、油脂(バターなど)は後から入れる、とありますが、そうしていません。
それにはそうする理由がちゃんとあります。
捏ねてないから、翌日固くなるんだな、と感じたらそれはたぶんゴールに到達していません。
私のものだけでなく、ネットで公開されているものも含めてたいていのレシピは、
適切に進めば、いわゆる「2~3時間で捏ねから焼き上げまですべて済ますパン」でもちゃんと翌日もいい状態です。
その「適切」ですね。それがきっと難しくて、パンは難しい、と思われる。
でも「それなりに」でいいなら、そこまで難しくはありません♪
全てを言語化すると長くなるけど、「ここだけ押さえればなんとかなる」と箇条書きにすれば、
とりあえずは5項目くらいでいいかもしれないのです。
5項目の下にさらにたくさんやったらいいことがぶら下がっているので、極めようと思えば、
たくさん気にした方がいいことはあります。
お休み中に書き溜めたレシピを清書しようと思ったら、朝食べたピカールパンの衝撃もあり・・
さまざまな条件の分岐がある中で、どうゴールまでなるべく平坦に、最短距離でたどり着けるか・・
どう、表現したらいいのかな・・・。そんなことばかり頭に浮かんだので、
ついついまとまらないまま書いてしまいました。
くまくまバンズの配合と分割メモが見つからな~~い!
(なんとなく・・覚えています。。きっとなんとかなる。。)
写真も整理中。
2011年のパン!この頃から無印琺瑯愛用。ちぎりパン焼いていたんだな~。
琺瑯でレッスンもまたしたいですね♪
ぽこぽこ可愛い♪